小売・流通業へのAI導入事例をご紹介します。まず、これまでとは異なるお客様の取り込みによって、売上は明瞭にアップするのか否か、という点がAI導入前の課題でした。この企業の事例では、店構えが商業施設内のテナントでありながら壁面がとても高く、店内の様子が外からは見えにくいという特徴がありました。そのため、「店の中がもっと見えるようになれば、売上も上がるのではないか?」 という意見が以前からあったのですが、「ウチの店はアウトドア派中心の目的買いなので、中がよく見えなくても売上は取れるはず」という理由で壁は高いままとなっていました。本当にそうなのか、この高い壁を取り払った場合、これまでとは異なる客層の集客につながるのではないか、それをAI導入に伴うデータ取得解析により検証してみることにしました。1つの仮説として、「目的買いの多い店だから、壁の高さは売上にほとんど影響しない」と考え方がありました。この仮説が正しいかどうか。そこで1店舗を実験店舗として選び、壁を低くして店舗内がよく見える形にしてみました。さらに、そのよく見える場所には若者に人気のあるTHE NORTH FACE (ザ・ノース・フェイス)を置き、彼らを呼び込む商品(フック商品)として陳列してみたのです。